ツチノコ退治

 ずいぶん前の事になるがネット上で議論があったかと思う。曰く、ツチノコ(太い蛇腹)のメインヒューズは是か否か、というかヒューズが熱を持って良いのかどうかというような議論だったような気がする。車内にあるヒューズボックスではなくエンジンルームにあるメインのヒューズボックスの話である。

 91年型までのレンジローバーはオルタやバッテリーから直接バルクヘッドのターミナルポストを経由して室内のヒューズボックスへ電気を供給しているので関係ないが、93年型のレンジはまさにツチノコのような溶融ヒューズの束がクーラントのサブタンク下にあってそこから室内のヒューズボックス等へ電気を供給している。パーツリストによるとJAからLA(92年型~94年型)までに限るようだ(ただ、年式記号のLAは湾岸諸国専用なので国内ではJAとKAのみ)。95年型以降のレンジ(エアバック付きで内装が違う)やマイナーチェンジ後のディスコ(300Tdiエンジン)はサブタンク横にメインヒューズボックスがある。

 進化しているのか合理化という名の下で簡略化されているのかよく分からないが、電気については少しでも目に見える形で良否が判断できた方がいいと考える。これが溶断したという話はあまり聞いたことはないが、万一ツチノコの被覆の中で溶断していたのではパッと見て判断できないので普通のヒューズボックスの方が良さそうだ。ツチノコヒューズは電子レンジに至るまでの過渡期の対策と考えたい。

 面白い事にサービスマニュアルに載っているジーゼルディスコの300Tdiのヒューズボックスは進行方向を向いている。ところがミーティングで見せてもらったバンプラジーゼルレンジのものは横向きである。気になってカタログを見てみると、どうもレンジは横向きでディスコは縦向きのようだ。

 長いことネットオークションでジャンク品を買い漁ってきたのでいつのまにかこのメインのヒューズボックスが2個も手元にある。私が入手した物はバッテリーコードが短いのでディスコ用の物のようだ。ジャンク棚にあるはずの後期型レンジのバッテリーコードを探し出してヒューズ付きの物やコネクタ付きの物と併せて2個1、3個1を企てる。

 ツチノコの中には9本の溶融ヒューズが入っていた。後期型に付いているヒューズボックスか らは12本の配線が出ているので、配線の色の特定ができれば余裕でエンジンルームのヒューズの可視化ができるはずである。ツチノコ付レンジの配線と入手したヒューズBOXの表示と配線の色との整合性の試行錯誤が続く。

 それにベースとなる車体は36Dエンジンの熱のせいかセルのコードと同様にバッテリープラスからツチノコへ行くコードが緑青を吹いている。こんなのが電装にいい訳がない。企画の正当性が見つかった。

 ヒューズボックスに接続するコネクタを端子のみで販売してくれるサイトを見つけて305型メス端子を発注した。送料込み620円也であった。

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