相棒

 長い間DIYにこだわってきたが、溶接はこれまで何度か挑戦したもののとても難しくて満足のいく出来にはならず半分諦めかけていた。それでもいつかは再挑戦と思って、離れの部屋にエアコンを設置した時に電気工事店に頼んで車庫まで単相200Vのコンセントは引いていた。

 秋のLRM(Land Rover Meeting)に参加した際、大御所に教えて貰った新製品の溶接機。Buddy(相棒)というらしい。調べてみるとセール期間中とのことで年金生活者でも手の届く値段だった。200Vと100Vを自動で切り替えてくれる優れ物の方も同じ値段だったので購入してみた。後で知ったが色違いでカーキ色や迷彩柄も選べたらしい、ちょっと残念なことをした。

 何か試用できる物がないかと探したら40年以上前のオーディオラックでコの字型の鉄の角パイプを見つけた。鉄材屋さんで追加の3㎝角パイプとLアングルetcを購入して切った貼ったで溶接台を作ってみた。ようやく自分でも使えそうな相棒に出会えた。

増車(?)

 今年の夏の工作。暑過ぎて何もしたくなかったので地下の書斎に籠って作業に勤しんだ。孫の遊び用にと買ってあった1/24のプラモを作ってみたのだがチャチ過ぎるので自分のコレクションにすることにした。涼しくなって地上に出てようやく日の目を見た。

ヒーターバイパス装置を付ける

 エアコンは安定して機能するし暇も出来たので暑くても出かけるようになった。冷風は爽やかに出て来るので快適なのだが時折どこからかドカッと熱の塊がやって来るようになった。窓際かバルクヘッド辺りの感じである。窓は閉まっているのに外気の熱が室内に入り込むような感じだ。助手席に乗る妻は特に暑さは感じないそうだ。手であちこち探ってみても特に熱い所は無いがハンドル下や窓ガラスを熱の塊が移動している感じでジワーッと暑いのだ。

 CRRは常時ヒーターコアに熱くなったクーラントが循環している構造である。このレンジを入手した時はヒーターコアが割れていたので、誰かがエンジン後端部で水道管でバイパスさせていたのは前にどこかで話した気がする。あの時、車内への温水切り替え装置があれば夏にエアコン無しでも涼しいかもと考えて格安汎用小型水路切替器は買ってあった。ただ300Tdiエンジンを載せたら、エンジンとバルクヘッドの間が狭過ぎてスペースを探せずにいたし車検取得以後夏にはあまり運転する機会がなかったので後回しにしていたのだった。

 CRRのヒーターユニットはコンパクトで気に入っているのだが何しろ設計が古い。エアコンなど無いヒーターオンリーの時代の賜物なのだ。ソフトダッシュと呼ばれる後期型のCRRのユニットをバラしたことがあるが全体を覆っている樹脂が厚くて熱は外部には漏れにくい構造だった。KA(93年型)までのハードダッシュのユニットの側壁は熱伝導率が高い鉄板だし樹脂は後期型に比べて限りなく薄い。暖房のことしか考えていない時代の設計なのである。

 LEDライトや暗くなると自動的に点灯するオートライト、USBやBluetooth対応のオーディオetcのCRRに欠けている数少ない弱点を自身の創意工夫で改良して快適に走れるようにする。それも最初から付いていたように限りなく純正風でさらに経費をかけずに手間をかける。この楽しみこそが私がCRRをいじり続ける理由でもある。

 今夏は早くから遅くまでとりわけて暑く、エアコンも調子がいいのであちこち運転していたら上記のとおりヒーターバイパスの必要性を感じたので意を決して作業にかかってみた。果たして効果の程は?

PWM かレジスターか?SDGs

 CRRの風量調整用の抵抗器(レジスター)は高価なのによく壊れるらしい。Tdiレンジもガソリンエンジンだった頃から、2段階しか調整できなかったので格安PWM(Pulse Width Modulation)にしてシームレスで風量調整をして快調に走っていた。エアコンも今年(’23)になって冷媒を入れたのでPWMを追加して風量調整しながら快適に遠出を楽しめるようになった。

 ところが夏になって東京に向かうべくエアコンを入れて久しぶりにETCを通る時、ゲートが上がらず急停止したら危うく後続車に追突されそうになった。係員が飛んできて言うには通信不能とのこと。首都高のETCでもゲートが上がらず一般ゲートで通った。振り返ってみると冬にスキーに行く時のETC通過時、通信エラーが出て無理矢理ゲートを通った事があった。あの時は帰りのバーはスムーズに開いたので、朝は大型トラックのすぐ後ろについていたので電波が遮断されたのだと考えていた。そのあと春まで数回ETCゲートを通ったが問題はなかった。

 電子工作の解説書にはPWM装置はパルス波長を調整するいわゆる発振機なのでモーター等のノイズ対策を万全にするよう書いてある。私の使ったのは格安(数百円)PWMなので高周波雑音が出てETCの通信不能を引き起こしたのではないかと考えた。今思ってみると最初に通信不能になった時はスキーに行く為朝早かったのでヒーターを入れていたかも知れない。無事通過できた時は過ごしやすい時期や時間帯だったのでヒーターのスイッチは切っていたのかも知れない。

 シームレスの風量調整はスムーズで良いのだが運転中の操作にはクリック感は必要ということを感じていた。年金生活者にはレジスターの高額支出は痛手なのだが、色々模索していたら純正で未使用のレジスターがブロワモーターについていた事を思い出した、それも2個もあった事を思い出した。これで費用をかけずに4段調整でPWMからレジスターに戻せる目処が立ったので某日実施した。やはりシンプルイズベスト。ランドローバーの設計を信じよう。純正が一番。

  1. レンジの純正機能や部品は最大限利用するのが信条
  2. 純正のハーネス、装置は原価をケチってはいないはず(?)
  3. レンジには純正(?)で未利用のブロワー用抵抗器(レジスタ)がある
  4. 壊れたモータのもあるので2個も家にあった
  5. 風量調節にはクリック感が大事
  6. 折角考案した4段階の風量調整は大事
  7. 結局リレー1個の追加で風量調整が4段階になった

エアコンシステム再挑戦

エンジンルーム側はディスコの純正品を使用し、室内側はレンジ純正と思しきエバポとエキパンを使うように工夫したKA300Tdiレンジのエアコンシステム。自分で真空引きをしていざ冷媒を注入と意気込んだところ一瞬で大気圧に戻る。つまりパイプの接続部かどこかで空気が漏れて真空が保たれないのだ。ミリ規格とインチ規格(R12とR134a)の違いをフレア加工や算盤玉接続で誤魔化そうとしたのが悪かったか。夏以外はエアコンなんて滅多に使わないので放って置いてもよいのだが、せっかく拘って作り上げたシステム。内装のウッドをムク板張りにしてフェイシアを外したついでに見直してみることにした。エバポやフロントデッキ、ヒーターアッシーを外して再挑戦した。

コロナ禍で巣(車庫)ごもり工作

そして、レンジの室内の工作

純正のエアコンブロワーが2個、追加の軸流型ブロワーの計3個の風量調整をどうするか。できるならこれまでの状態を維持してコントロールしたい。ネットでモーターのスピードコントローラーを探していたら1個800円もする汎用品が見つかった。試しに入手して繋いでみると結構調子が良い。色々調べると最近流行のPWM(Pulse Width Modulation)という方式でコントロールをしているとの事。レンジのエアコンの風はレジスターコントロールつまり抵抗器で電圧を落としてスピードをコントロールしている。このレジスターは高価だがよく壊れるらしい。30年も経った純正のレジスターに見切りをつけて純正風で最新式のコントロールを試みる。