サビ取り物語

20年の間に行った対策の総括

当地は積雪寒冷地である

積雪期、幹線道路は凍結による事故予防のため休み無く塩化カルシウム(つまり塩)を大量にばら撒く

幹線道路以外でも数時間おきに塩カルは撒かれるし、カーブや日陰ではマキエモンなる自動撒布機まで登場している

そのため道路が乾くと真っ白に見えるほど塩の道が出来上がる

車は通勤のため毎日その道を通るのであるから、当然ながら下回りのみならずサビは発生する

Tdiレンジはここ数年で相当酸化が進み、触るたびに前も後ろもガサガサと音を立て百グラム単位で軽量化が進んでいる

朽ち落ちるのが先か手を入れるのが先かのレベルである



 (その1 ’07.07)

先日5年近く使ったバッテリーを交換した際、バッテリー室の床がゴソッと抜け降ちた
 ボンネットをあける度に上からもサビが落ちてくる
 バッテリーから発生するガスと下からの融雪剤のせいだ
 あわてて木の板でバッテリー台を作って応急措置はしておいた

左タイヤハウスもアルミ化(’09.01)

やはり鉄と融雪剤(塩カリ)とは相性が悪いようだ
右側と同じようにバッテリーケースの位置に亀裂が入っている
樹脂性のタイヤカバーは固定するボタン回りの鉄が錆びで朽ち果て、ほとんど全て取れてしまっている

この冬を乗り切れるかどうか

サビ対策その2(’07.09~の記録)

フロントのサビ対策は何とか目途が立った

一方   

  • リアアンダーゲートの方はとうとうヒンジ部分までやられ、開け閉めが困難になってきている
  • リアのボディマウントラバーの取付部分も痩せて骨だけ、というより今にも取れてしまいそうである
  • 一方の部品取車はカリフォルニアで産湯をつかり首都圏育ちなので塩害はほとんど受けていない
  • 下回りには排気ガスやアスファルトの粉がついているだけである
  • リアアッパーゲートは下側が特に錆びる

リアアッパーゲートと集中ドアロックを直す(’09.05の記録)

簡単そうで簡単でなかった

サビ取り物語(その3)


レンジローバーはアルミボディだからサビないという迷信がある。

  • 助手席側

どっこいそれは外観の一部だけの話で、外から見えないシャシフレームや外板を張り付けているボディフレーム(スケルトンというらしい)、それに床板等の各パーツは鉄でできておりよくサビる。

外観でもボンネットとリアゲートは鉄でできていて、これまたよくサビる。それも、錆対策が古いのか手を抜いてあるのか全くもってよくサビる。
サビたら交換するという設計思想だろうかそれとも年数がたって錆びた車で走るのは英国の常識なのだろうか。クロスメンバー等の溶接が必要なものまでパーツリストにはナンバーが振ってある。


私のレンジは20世紀末に彼の国から船に揺られてやってきて早や十有余年。
特別豪雪地帯である飛騨の山奥で20数万キロを走り続けた。

その間、融雪剤と鉄の相性の良さ(悪さ?)をつくづく痛感し、徐々にアルミ化を図ってきた。
穴だらけだった左右のフロントタイヤハウスは薄いアルミ板で覆ったし、リア荷室とリアクロスメンバーはアルミにした。リアのアッパーゲートもアルミのものに交換した。それから最終クロスメンバーはサビで役に立たなかったので自分で鉄の60ミリの角材に交換した。

それでも下にもぐってじっくりと眺めると錆の進行を食い止めるには至っていない。

サイドシルはほとんど朽ち落ち、室内部分のボディマウントは2ケ所浮いている。
車検の都度ステンやアルミの板を折り曲げてシルに張り付けゴマ化してきた。、ABCピラーの取付部分もサビて、おかげで集中ドアロックが効いたり効かなかったり。ドアの建付け自体も狂ったようで、シッカリと閉まらない事がある。
ボンネットを開けるたびに上からサビが落ちてくるしタワー部の穴も成長した気がする。おまけに先の車検ではシャーシ後部に大穴を発見し、黒色のアルミテープを貼ってなんとか車検だけは通った。

・シャシをどこかに転がっているレンジのものとズリ換えしたらどうかという話もある。
・朽ち果てようとしているものを延命すべきか。
・延命治療の是非とか自然死が望ましいとか世間では色々言われている。
・終末期対応としてゆっくりと車庫で眠らせてやるべきかもしれない。
・でも、私自身はジーゼルレンジはまだまだ現役でいられると考えているし、職権打刻まで受けたKAレンジは延命に値すると思っている…。

ではアルミは本当にサビないか
アルミサッシやアルミホイルはサビないと信じ、レンジもアルミ化を図ってきた。
10年近くになるが、薄いアルミ板でもタイヤハウスは何とか持ちこたえていてくれる。
理論的にはアルミは自らが酸化して表面にアルマイトができ、そのおかげでそれ以上のサビの進行を止めているらしい。
でも実は初めてサイドシル後部の穴を発見した頃、0.3ミリ程度のアルミ薄板を張っていたところ真っ白になって、触ったら溶けてボロボロになったという事実もある。
それにアルミの弁当箱に梅干しを入れていったら弁当箱に穴があいたという故事もある。ま、ある程度の厚みがあるアルミ合金であれば防錆効果は一応はあるようだ。

ドアやボディの外観がサビていると他が元気でも一気に愛情が失せ、車の入れ替えを考え出すようになる。
ありがたいことにレンジは逆のパターンなので、愛情がより深くなっている。
古女房でも飽きずに付き合っていけるので、綺麗でシャンとさせたいのである。
あちこち弱ってくるとなると愛おしさも増してくるものだ。

幸か不幸か、融雪剤によるサビの浸食は腰下、それも人間で言うと足首あたりで止まっている。
上部がやられたのはリアゲートだけだが、これは以前に交換済み。
足首から下は外から見えないので、塗装や外見はあまり気にする必要がない。五本指靴下でも紳士でいられる。
溶接とボルト締めの強度の違いはよくわからないが、外見だけを気にして溶接や塗装をする必要はなさそうだ。
アマチュアでも手をつけられる所からやってみよう。

ということで、さらなるレンジのアルミ化を図ることにする