若いころ何度も岩登りに通った錫杖岳。正確には錫杖岳烏帽子岩前衛壁という事で山頂へは行ったことが無かった。
昔の写真や文章を引っ張り出して思い出を綴るだけのことはしたく無いので、ある程度の実践を踏まえて思い出を語ろうなどと考えたのが甘かった。山頂は遠かった。というか難しかった。ヘロヘロでやっとこさで登って帰ってきた。
前日まで連日、山小屋の取り壊しや稲刈りの手伝いをして疲れが取れていないと言うのはただの言い訳。原因は運動不足、練習不足経験値の喪失なのだ。関西方面のプロのガイドさんの力を借りて這々の態で降りてきた。バリエーションルートなのでコースタイムの設定はないが通常より2時間ほどは余分にかかっていると思われる。
今回、一番みてみたかったのは岩小屋。通算でこれまで何泊したのだろう。錫杖の岩登りは基本は日帰りだったのだが土曜発の1泊登山もあった。雨に降られて沈殿していた時、先輩に教えてもらった人工登攀のコツ。50年以上も前のボルトが残っているか興味津々だった。先輩たちが海外遠征している時の合宿や冬季第2登をするときのベースにも使った。思い出の岩小屋なのだ。